世界の国々では、結婚した夫婦の何割が生涯で離婚するのでしょうか。国別ランキングの有無や最新の国際統計、年間離婚率との違いを、公的資料をもとにわかりやすく解説します。
結論
- 世界各国の生涯離婚率を同じ基準で比較した完全なランキングは、一般に利用できる公的統計として確認できません。
- 国連の人口統計年鑑には、世界230超の国・地域について、入手可能な離婚統計が収録されています。
- 年間離婚率は人口1,000人当たりの離婚件数であり、結婚した夫婦が生涯に離婚する確率とは異なります。
- 国連のUNdataでは、婚姻期間別の離婚件数などを調べられ、国によっては詳しい比較が可能です。
- 生涯離婚率を比較するには、結婚した世代や婚姻期間、統計の定義をそろえた研究データを利用する必要があります。
FAQ
Q1. 世界で最も生涯離婚率が高い国はどこですか?
生涯離婚率を統一基準で集計した世界共通のランキングは確認できないため、特定の国を世界1位と断定することはできません。年間離婚率のランキングとは区別する必要があります。
Q2. 年間離婚率が高い国ほど、夫婦が離婚する確率も高いのですか?
必ずしもそうではありません。年間離婚率は、その年に発生した離婚件数を人口で割った指標です。結婚した夫婦が将来離婚する割合を直接表すものではありません。
Q3. どのような人にこの記事がおすすめですか?
世界の離婚事情を調べたい方、国際比較のランキングを作りたい方、結婚や家族に関するブログ記事・レポートを執筆したい方におすすめです。公的な統計資料へのリンクも紹介します。
世界の離婚率を比較する方法と国連統計の活用ガイド
1. 世界の国別離婚率ランキングは何を基準にするべきか
世界各国の離婚事情を比較するとき、最初に確認したいのが「離婚率」の定義です。離婚率という言葉は、統計によって異なる指標を指すためです。
代表的なのが、人口1,000人当たりの年間離婚件数です。例えば、年間離婚率が2.0であれば、その年に人口1,000人当たり2件の離婚が発生したことを意味します。
この指標を使えば、各国で離婚がどの程度発生しているかを比較できます。ただし、人口構成、婚姻率、離婚制度、離婚手続きのしやすさなどの影響を受けるため、数値だけで夫婦関係の安定性を判断することはできません。
欧州連合(EU)の統計機関ユーロスタットが公表した「Demography of Europe 2026」では、2024年のEUの離婚率は人口1,000人当たり1.6件とされています。同年のEU加盟国では、ラトビアが2.8件、リトアニアが2.5件で、マルタは0.9件でした。
ただし、これはEU加盟国の年間離婚率の比較です。世界全体のランキングでも、生涯離婚率のランキングでもありません。
2. 世界各国の離婚率を調べられる公的データベース
世界の離婚事情をできるだけ多くの国について調べたい場合は、国連の統計資料が役立ちます。
国連「Demographic Yearbook 2024」
国連統計部が公表する人口統計年鑑です。2025年12月に公開された2024年版には、世界230超の国・地域について、2024年までの入手可能な人口統計が収録されています。
離婚に関しては、主に次の2つの表が参考になります。
- 表24:離婚件数と年間離婚率
2020~2024年の離婚件数や人口1,000人当たりの離婚率を確認できます。 - 表25:婚姻期間別の離婚件数と構成比
結婚してからどのくらいの期間で離婚したかを調べるための資料です。
資料は国連の公式サイトから確認できます。
なお、世界230超の国・地域が収録されているからといって、すべての国について同じ年の離婚データがそろっているわけではありません。統計の欠落や集計方法の違いにも注意が必要です。
国連UNdata
さらに詳しいデータを探すなら、国連の統計データベース「UNdata」も便利です。
このデータベースでは、国や地域を選択し、婚姻期間別の離婚件数を調べられます。掲載対象は105の国・地域ですが、すべての国で同じ期間や形式のデータが得られるわけではありません。
国別の比較表を自分で作成したい場合は、対象国、統計年、婚姻期間などの条件をそろえて集計すると、より正確な比較ができます。
3. 生涯離婚率を国別に比較するには何が必要か
本当に知りたいのが「結婚した夫婦100組のうち、最終的に何組が離婚するのか」という割合であれば、年間離婚率ではなく、生涯離婚確率に近い指標を調べる必要があります。
例えば、ある国の年間離婚率が高くても、結婚する人の割合や年齢構成が異なれば、結婚した夫婦が生涯で離婚する確率も同じとは限りません。
生涯離婚率を比較する方法として、次のようなデータが考えられます。
結婚した世代を追跡する方法
同じ時期に結婚した夫婦を長期間追跡し、何年後にどれだけの夫婦が離婚したかを調べます。実際の婚姻集団の離婚経験を分析できる一方、生涯の結果を把握するには長い観察期間が必要です。
婚姻期間別の離婚データを分析する方法
結婚から5年、10年、20年などの期間ごとに離婚件数を調べ、婚姻期間と離婚の関係を分析します。ただし、離婚した夫婦の件数だけでは、結婚した夫婦全体のうち何割が離婚したかは計算できません。婚姻集団の規模や観察期間などの情報も必要です。
各国の研究機関による推計を利用する方法
国によっては、人口調査や家族に関する調査を使って、結婚した人の離婚経験や離婚リスクを推計しています。ただし、調査対象の年齢、初婚・再婚の扱い、調査期間などが異なるため、数値をそのまま並べても厳密な国際比較にならない場合があります。
したがって、世界各国の生涯離婚率ランキングを作る場合は、単に数字を集めるだけでは不十分です。各国の統計が何を測定しているのかを確認し、比較可能なデータを選ぶことが重要です。
まとめ
世界の生涯離婚率を知りたい場合、年間離婚率のランキングだけでは十分ではありません。
世界各国の年間離婚率を比較するなら、国連の人口統計年鑑やユーロスタットの資料が参考になります。一方、結婚した夫婦のうち何割が最終的に離婚するのかを知るには、婚姻した世代の追跡調査や、婚姻期間を考慮した研究が必要です。
国連のUNdataでは、婚姻期間別の離婚件数を調べることもできます。これらの公的資料を活用すれば、年間離婚率と生涯離婚率の違いを理解しながら、世界の離婚事情をより正確に比較できます。
なお、国ごとの離婚率は、法制度や統計の集計方法、社会的な背景によっても変わります。数値をランキングとして紹介する際は、対象年と指標の定義を明記し、読者が正しく解釈できるようにすることが大切です。
