1. 「たばこが体に悪くない」とする科学者・医学者は多いのか?そのエビデンスは?
• 科学的コンセンサスは明確に「たばこは有害」
喫煙ががんや心血管疾患など多くの病気の原因であることは、1970年代からの疫学的研究により確立されています。世界保健機関(WHO)や国際がん研究機関(IARC)も、たばこ製品を「複数のがんの明確な原因」と位置づけています
• 「たばこは無害」と主張する科学者は、ほとんどが業界から資金提供を受けている
タバコ業界は、科学的な疑念を意図的に作り出す戦略を長年にわたり展開してきました。1954年の「A Frank Statement」広告では、たばこと健康被害の因果関係に疑問を投げかける内容が広く流布されました
また、業界が資金提供する研究者の多くは、喫煙が有害であるという結論に同意していたという調査結果もあります
2. なぜたばこは法律で全面禁止されないのか?
• 経済的な影響が大きい
世界のたばこ市場は非常に巨大であり、2024年には約9,651億ドルに達すると予測されています。たばこ関連の税収や雇用、農業・製造業への影響を考慮すると、全面禁止には大きな経済的リスクが伴います
• ブラックマーケット(闇市場)の懸念
完全禁止によって非合法な流通が増加し、より危険な製品が出回る可能性があります。実際、禁止政策を実施した国では、未成年の喫煙が逆に増加した事例も報告されています
• 政治的・社会的な要因
タバコ産業は強力なロビー活動を行っており、政治家や政策決定者に影響を与えています。また、たばこは多くの文化や社会に深く根付いており、全面禁止は社会的抵抗を招くこともあります
• 国際的な枠組みと段階的規制
WHOの「たばこ規制枠組条約(FCTC)」は、たばこの広告禁止、税率引き上げ、公共の場での禁煙などを推進する国際条約で、182か国が批准しています
しかし、全面禁止ではなく、段階的かつ現実的な規制強化が主流です。
まとめ
• 喫煙の健康被害は科学的に確立されており、「無害」とする主張はほとんどが業界の影響下にある。
• 完全禁止が実現しない背景には、経済的利益、闇市場の懸念、政治的圧力、文化的要因などが複雑に絡んでいる。
