朝鮮半島で確認されている最古のお墓
• 檀君陵(Mausoleum of Tangun)
北朝鮮・平壌近郊の康東にあるとされる檀君陵は、北朝鮮の主張によれば、電子スピン共鳴法による年代測定で約 5,011年前(±267年)とされています
ただし、この年代や墓の実在性には政治的・民族的背景が強く影響しており、学術的には広く承認されているわけではありません
• 古墳時代の墳墓(前方後円墳など)
朝鮮半島南部では、5〜6世紀頃の前方後円墳様式の古墳が確認されています。特に「長鼓峰古墳」は石室構造や朱漆の痕跡などが日本の九州地方の古墳と酷似しており、6世紀前半に築かれたと推定されています
これらは考古学的に確実な年代が示されており、政治的主張に左右されない信頼性があります。
→ 結論:朝鮮半島で「最古」とされる墓としては、北朝鮮の主張する檀君陵(約5,000年前)がある一方、学術的に確実な年代が確認されているのは 6世紀前半の前方後円墳様式の古墳です。
日本国内で確認されている最古のお墓
• 湯の里4遺跡(北海道知内町)
昭和58年(1983年)の発掘で、旧石器時代(約 2万年前)の墓と考えられる土壙(縦穴式の墓)が発見されました。副葬品として石製の小玉・垂飾・石刃などが出土し、国の重要文化財に指定されています
• 縄文時代の埋葬(岩陰墓)
例えば、群馬県の「Iyaiiwakage(イヤイワカゲ)遺跡」では、約 8,300年前の屈葬(膝を折り曲げた姿勢での埋葬)が確認されており、これは日本国内で確認されている最古級の「形式的な埋葬」とされています
→ 結論:日本国内で最古とされる墓は、旧石器時代の「湯の里4遺跡」(約2万年前)であり、形式的な埋葬としては縄文時代初期の「Iyaiiwakage遺跡」(約8,300年前)が最古級です。
比較まとめ
| 地域 | 最古とされる墓・埋葬 | 推定年代 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 朝鮮半島 | 檀君陵(主張) | 約5,000年前 | 政治的主張による年代。学術的には不確実 |
| 前方後円墳様式の古墳 | 6世紀前半 | 考古学的に確実な年代 | |
| 日本国内 | 湯の里4遺跡 | 約2万年前 | 旧石器時代の墓として最古級 |
| Iyaiiwakage遺跡 | 約8,300年前 | 縄文時代初期の形式的埋葬として最古級 |
