現代貨幣理論(MMT)とワルラス理論は同じか? • *結論:現代貨幣理論(MMT)とワルラス理論は全く異なる経済理論です。

🏦 現代貨幣理論(MMT:Modern Monetary Theory)とは?

• 政府の通貨発行権に注目し、「政府は自国通貨建ての債務であれば財政赤字を拡大しても破綻しない」と主張。

• 失業やデフレ対策として、政府支出を積極的に行うべきとする。

• インフレが問題にならない限り、財政赤字は問題視しない。

 


⚖️ ワルラス理論(一般均衡理論)とは?

• 19世紀の経済学者レオン・ワルラスによる理論。

• 「市場の需要と供給がすべて同時に均衡する点(一般均衡)」を数理的に示した。

• 貨幣は単なる交換手段として扱われ、貨幣の本質や政府の役割は重視されない。

• 経済全体が自動的に均衡へ向かうという前提が強い。

 


📝 主な違い

 

項目 現代貨幣理論(MMT) ワルラス理論(一般均衡理論)
貨幣の役割 政府の発行力・政策手段 単なる交換手段
政府の役割 積極的な財政政策を推奨 市場メカニズム重視、政府の役割小
均衡概念 必ずしも均衡を重視しない 全市場の同時均衡が前提
財政赤字の捉え方 問題視しない(自国通貨建て) 財政赤字や貨幣供給は理論の中心でない

📚 まとめ

• MMTは現代の財政政策・貨幣政策に焦点を当てた理論

• ワルラス理論は市場の均衡と数理モデルに焦点を当てた理論

• 両者は理論の目的も前提も全く異なります