「日本は電気が足りない」「原発がなければ停電する」
——こうした言葉を、ニュースや政策議論で何度も聞いてきました。
しかし実際に公的データを数字で整理すると、まったく違う姿が見えてきます。
この記事では、資源エネルギー庁や電力広域的運営推進機関のデータを基に、
日本の電力の総出力・総需要・ピーク時の供給余力を、誰でも分かる形で整理します。
日本の電力は本当に不足しているのか?
Contents
資源エネルギー庁の情報が分かりにくい理由
資源エネルギー庁の公式サイトには膨大なデータがありますが、
- 年間電力量(kWh)
- 最大需要電力(kW)
- 設備容量
- 供給力・予備率
これらが混在しており、一般の人が「結局どれくらい余っているのか?」を把握しにくい構成になっています。
そこで本記事では、議論で最も重要な指標だけに絞って整理します。
日本の電力の「総需要」はどれくらいか?
年間の電力需要
- 約8,500億kWh(850TWh)
(2023年度/資源エネルギー庁・IEA)
これは日本全体で1年間に使われた電力量です。
日本の電力の「総出力」はどれくらいか?
最大供給能力(発電設備容量)
- 約1億6,000万kW(160GW)
(電力広域的運営推進機関・供給計画)
この数値は「理論上、同時に発電できる最大能力」です。
年間最大供給量に換算すると
160GW × 24時間 × 365日
= 約1,400TWh/年
日本の電気は「総需要の何倍」あるのか?
年間ベースでの比較
- 年間最大供給量:約1,400TWh
- 年間需要:約850TWh
👉 約1.65倍
年間で見ると、日本の電力設備は需要の1.65倍の発電能力を持っていることになります。
8月のピーク時でも電気は足りているのか?
夏の最大需要(8月)
- 約1億5,760万kW(157.6GW)
供給能力との比較
160GW ÷ 157.6GW ≒ 1.015倍
👉 ピーク時でも、需要をわずかに上回る供給力がある
つまり、
「夏のピークでも即座に電力不足になる状態ではない」
ということが数字で確認できます。
原発をすべて廃止した場合でも電気は足りるのか?
原発の設備容量割合
- 全体の 約8.5%
原発ゼロの場合の供給力
160GW ×(1 − 0.085)= 約146.4GW
ピーク需要との比較
146.4GW ÷ 157.6GW ≒ 0.93倍
👉 需要の約93%をカバー
これは、
- 節電
- 需給調整
- 再エネの出力抑制緩和
- 火力のフル活用
を組み合わせれば、即「電気が足りない」状況ではないことを示しています。
なぜ「電気が足りない」と言われ続けるのか?
現実には、
- 太陽光・風力の出力抑制
- 需要減少(人口減・省エネ)
- 設備の遊休化
が同時に起きています。
つまり日本は、
電気が足りない国ではなく、電気を捨てている国
という側面を持っています。
結論:数字で見る日本の電力の実態
- ✅ 年間ベースでは 需要の1.65倍
- ✅ 8月ピーク時でも 需要を上回る
- ✅ 原発ゼロでも 需要の約93%をカバー
- ✅ 実際には再エネの出力抑制が常態化
👉
「日本は電気が足りない」という主張は、数字を見る限り成立しない
原発賛成派に伝えるべき、たった3つの数字
- 年間供給能力は需要の1.65倍
- ピーク時でも供給は需要を上回る
- 原発ゼロでも需要の93%は確保可能
感情論ではなく、数字で議論するための土台は、すでに公的データで揃っています。