人工漁礁を設置する際に、最も多くの人が悩むのが「水深は何メートルが正解なのか?」という点です。
浅すぎても深すぎても効果は落ち、場合によっては失敗に終わることもあります。本記事では、国内外の研究事例をもとに、人工漁礁に最適とされる水深の目安と、その理由をわかりやすく解説します。
人工漁礁に最適な水深は何メートルか?
人工漁礁の効果は「水深選び」でほぼ決まると言っても過言ではありません。
結論から言うと、一般的に有効とされる水深は約6〜60メートルの範囲です。
ただし「どの魚を増やしたいのか」「どんな海域か」によって、理想的な水深は変わります。
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人工漁礁の理想的な水深の目安
▶ 浅場:水深6〜10メートル
- 実際に水深6.7mでも高い効果が確認された事例あり
- 光が十分に届き、藻類が付着しやすい
- 稚魚・小型魚の隠れ家になりやすい
- ただし、台風や波浪の影響を受けやすい点には注意
▶ 中間層:水深30〜40メートル
- 多くの漁協が伝統的に選定してきた「理想的漁場」
- 水温・流れ・安定性のバランスが良い
- 底魚・回遊魚の両方が集まりやすい
- 最も“失敗しにくい”水深帯
▶ 深場:水深50〜60メートル
- 大型人工漁礁の設置実績が多い水深
- 潮通しが良く、回遊魚の目印になりやすい
- 波の影響を受けにくく長期安定
- 設置コストや調査精度が重要になる
なぜ「水深6〜60m」が適正範囲なのか
人工漁礁は単なる構造物ではなく、
**「隠れ場・餌場・産卵場」**として機能する必要があります。
そのため、水深だけでなく以下の要素が密接に関係します。
- 海底からの突出高さ
- 底質(砂・泥・岩)
- 潮流の速さ
- 太陽光の届き方
- 周辺地形との関係
これらの条件が最も成立しやすいのが6〜60m帯であり、多くの研究や実証データがこの範囲を支持しています。
人工漁礁設置で失敗しないための重要ポイント
- 既存の良好な漁場(岩礁・藻場)を壊さない
- 砂地・泥地など「空白地帯」を活用する
- 流れが弱すぎず、強すぎない場所を選ぶ
- 魚が身を隠せる「複雑な空間構造」を作る
- 必ず漁業権・行政・漁協の許可を確認する
まとめ|迷ったらこの水深を選べばよい
- 最小:6〜7メートル
- 最適ゾーン:15〜40メートル
- 最大:60メートル前後
まずは「どんな魚を増やしたいのか」を明確にし、
その目的に合った水深を選ぶことが、人工漁礁成功の近道です。
人工漁礁は正しく設置すれば、数十年単位で海の生産力を高める投資になります。
水深選びは、最初にして最大の分岐点です。