電気工事士の人手不足の始まり
• 第一種電気工事士については、2020年頃から供給不足が顕在化しているとされています。2020年時点で需要に対し約2万人の人材が不足しており、これは明確な人手不足の兆候といえます
• 第二種電気工事士については、2030年頃から不足が加速する見通しとされています
背景とその後の状況
• これらの不足は、少子高齢化による労働人口の減少や、若年層の業界離れ、養成施設の減少など複数の要因が重なった結果です
• また、2024年問題(働き方改革に伴う時間外労働の上限規制)が追い打ちをかけ、それ以前から人手不足が深刻化していたことが確認されています
まとめ
• 第一種電気工事士:2020年ごろから人手不足が始まっている。
• 第二種電気工事士:2030年ごろから不足が加速する見通し。
• その背景には、少子高齢化や業界イメージ、資格取得の難しさなどがある。
このように、電気工事士の人手不足は少なくとも2020年頃から既に始まっており、今後も構造的に続いていくと予測されています。
「電気工事士の人手不足は、2020年以前は十分だったのか、1980年以降はどうだったのか」という点について、以下の通り整理しました。
1980年代〜2000年代:人手不足の明確な兆候は見られず
• 試験受験者数の推移(第一種・第二種)
• 第一種電気工事士の受験申込者数は、1988年(昭和63年度)に約10,159人、1990年代には30,000人前後まで増加しており、受験者数自体はむしろ増加傾向にありました
• 第二種電気工事士も、1985年(昭和60年度)に約84,092人、1986年には98,319人と、受験者数は多く、供給側に大きな問題は見られませんでした
• 背景として、1980年代〜1990年代は建設業や製造業などが活発であり、電気工事士の需要も安定していたと考えられます。受験者数が多く、供給が追いついていたことから、「人手不足」とは言い難い状況だったと推測されます。
2000年代〜2010年代:徐々に需給バランスが変化
• この時期の具体的な「人手不足」のデータは少ないものの、少子高齢化の進行や若年層の業界離れなどにより、徐々に供給が追いつかなくなる傾向が出始めたと考えられます。
• 特に、2020年以降に顕在化した人手不足は、こうした構造的な変化の積み重ねによるものと見られます。
まとめ
• 1980年代〜1990年代:試験受験者数が多く、供給は十分であったと推測され、人手不足の兆候は見られませんでした。
• 2000年代〜2010年代:少子高齢化や若年層の業界離れなどにより、徐々に需給バランスが変化し始めた可能性があります。
• 2020年以降:人手不足が明確に顕在化し、深刻化している状況です。
