「中共」という呼称(「中国共産党」または「中華人民共和国」の略称としての「中共」)が日本で使われなくなった時期について、以下のように整理できます。
呼称の変遷と背景
• 戦前〜戦後初期
日本では、かつて「支那」という呼称が一般的に使われていましたが、中国側からの強い反発を受け、1930年に日本政府が「中華民国」を正式名称とし、略称として「中国」を用いる閣議決定を行いました
• 中華人民共和国成立後
1949年に中華人民共和国が成立すると、日本国内でも「中国」という呼称が定着していきました。ただし、「中共」という略称が使われるようになったのは、主に台湾(中華民国)側や、国共内戦や冷戦期の文脈においてであり、日本の一般的なメディアや教育現場ではあまり定着しませんでした
「中共」が使われなくなった理由と時期
• メディア・教育現場での使用減少
日本のマスメディアや教科書では、一般に「中国」や「中国共産党」と表記され、「中共」という略称は避けられる傾向にあります。これは、略称が曖昧であることや、政治的なニュアンスを含む可能性があるためです。
• いつから使われなくなったか
明確な時期を示す資料は見つかりませんでしたが、1972年の日中国交正常化以降、日本政府やメディアは「中華人民共和国」や「中国共産党」といった正式名称を用いることが一般化し、「中共」という略称は徐々に使われなくなったと考えられます
「中共」の復活について
ご指摘のように、日本の「中国地方」と「中共(中国共産党)」が同じ略称であることは、確かに混乱を招くことがあります。しかし、以下の点もご理解いただければと思います。
• 略称の曖昧さ
「中共」は中国共産党を指す略称としては明確ですが、日本国内では一般的ではなく、誤解を避けるために正式名称が優先されます。
• 政治的・外交的配慮
略称の使用は、政治的な立場や外交関係に影響を与える可能性があるため、慎重に扱われる傾向があります。
まとめ
• 「中共」という略称は、日本では戦後から徐々に使われなくなり、1970年代以降はほとんど見られなくなったと推測されます。
• 混乱を避けるため、正式名称(「中華人民共和国」「中国共産党」)が優先されているのが現状です。
• 「中共」の復活は、略称の曖昧さや政治的配慮から現実的には難しいと言えます。
